
息を引き取る2時間ほど前、
モエは、顔を近づけて、モエちゃん、モエちゃん、と叫び続けるわたしを、
しっかりとみて、
大きな目を見開いて、精一杯の息をしながら、何度も、こたえてくれました。
そして、右の手をお手をするみたいに何度も何度も、動かして、
なにかを訴えかけているようにするのです。
わたしは、その手を取って、
大丈夫だよ、やすみは、ここにいるよ、
いつもいっしょだからね、ずっといっしょだからね。
と、また、叫び続けるのでした。
それでも、何度も何度、右手を動かしてくるモエ。
しっかり、手を取って、返事をするわたし。
しばらくすると、
納得したのかなんなのか、モエは右手を動かすのをやめました。
モエは、なにをいいたかったのでしょう。
ひとりにしないで。とも思えたし。
大丈夫だから。とも思えたし。
ほんとのところは、実のところ、わかりません。
ただ、モエの右手と目力には、とても強い意志を感じたのでした。
壮絶なものを感じました。